ワタシノタイヨウ
『先生って、私の事すごく好きでしょ?』


「…っ!!」


予想もしない私の言葉に面食らった彼は、ゴホゴホとタバコの煙りにむせた。


滅多に見れない彼の動揺した姿に私は意地悪をしたくなる。


『だって、私といて幸せそうだもん。』


彼は少し赤くなった顔を手で覆うと、指の隙間から上目使いに私を見た。


「ば〜か。調子にのりすぎ。」


そう言うと、コツンと私の頭を小突いだ。


そして顔を上げ私を真っ直ぐ見ると、真剣な顔で口を開く。


「時々…サエの事を思い出すと、自分だけ幸せでいいのか不安になる。」


彼は少し寂しそうに小さく笑う。


「それでも…カスミの笑顔を見てると、ずっとこの笑顔を見ていたい、守りたいって思うんだ。」


『先生…』


「オレにとってカスミは太陽だから、一緒にいて暖かくて元気になれるんだ。太陽がないと人は生きてけないからな。」


愛おしそうに私の髪を撫で、優しく微笑んだ。


「だから…カスミが笑ってくれてると、オレは幸せだよ。」


彼の気持ちが痛いほど伝わってきて、私は言わずにはいられなかった。



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