ワタシノタイヨウ
『先生が幸せなら、私ずっと先生の側で笑ってる。だから…先生も笑って。私にとっての太陽は先生だから。』


私はニッコリと微笑んだ。


一度無くした太陽を彼はまた見つけた。それが私……


そして私も見つけてしまった。
彼という太陽を……


『太陽がないと生きてけないもんね。だから私先生がいないと…』


「もう絶対手放さないよ…」


彼は私の言葉にかぶるように言うと、ふわりと包み込むように私を抱きしめた。



その言葉にはとても重みがある。


無くしてしまった痛みを彼はイヤと言うほど知っているから…



そして、彼は両手で私の顔を包み込むと、おでこ、鼻、頬に、そっとキスを落とす。最後は優しいキスを唇に…私は胸がいっぱいになり、目に涙が浮かんだ。


彼は私のおでこに自分のおでこをくっつけ、私の顔を見つめると


「カスミは泣き虫だな。」


そう言ってクスッと笑った。


『な、泣いてないもん。』


私は少しふくれて言った後、彼の笑顔につられて、二人でクスクス笑いあった。


私は思った……

いつまでも、こうして彼と笑いあえたらいいと…

だって、こんなに心が幸せに満ち溢れてるから…


初めて知った…

こんなに人を愛おしく想い、そして無くしたくないと…



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