ワタシノタイヨウ
『や、離してっ…』
幾度となく抵抗してみたけど、掴まれた腕は外れない。
もう誰もいない廊下には、私の声が虚しく響いていた。
(先生っ…助けて…)
連れてこられた場所は視聴覚室だった。
今井先生はドアに鍵をかける。
私への注意が少しそれた瞬間、私はおもいっきり腕を振って、掴まれていた腕を解いた。
そして今井先生から距離を置く。
『な、何なんですか!?』
少しうわずった声で、今井先生を睨みつけながら問い掛ける。
「大声出しても無駄だよ。もう残ってる人間はほとんどいないし。それより…今日、佐野のとこ行くなんて嘘ついちゃダメだなぁ。」
私の方へゆっくり振り返りながら今井先生は言う。
「それに…お前やっぱり青山先生と付き合ってるだろ。」
ニヤリと笑いながら少しずつ私の方へ近づいて来た。
「資料室行ったとき、椅子にお前のカバンがあったの見えたよ。
あの時いたんだろ。」
私のカバンを指差す。
そこには、キャラクターのストラップがぶら下がっている。
私は何も言えず黙っていた。
「それに…見たんだよねオレ。
何ヶ月か前、裏庭で二人が抱き合ってキスしてるとこ。ほら…」
ポケットから携帯を取り出すと、画面をこちらに見せる。
『…!!』
それは私たちのキスしている写真で…私は驚いて目を見開いたまま動けなかった。
今井先生は私の目の前で立ち止まり、私の髪に触れる。
いつもの私なら抵抗するとこだが彼との事を写真に撮られてしまった事に動揺して、体が動かなかった。
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
幾度となく抵抗してみたけど、掴まれた腕は外れない。
もう誰もいない廊下には、私の声が虚しく響いていた。
(先生っ…助けて…)
連れてこられた場所は視聴覚室だった。
今井先生はドアに鍵をかける。
私への注意が少しそれた瞬間、私はおもいっきり腕を振って、掴まれていた腕を解いた。
そして今井先生から距離を置く。
『な、何なんですか!?』
少しうわずった声で、今井先生を睨みつけながら問い掛ける。
「大声出しても無駄だよ。もう残ってる人間はほとんどいないし。それより…今日、佐野のとこ行くなんて嘘ついちゃダメだなぁ。」
私の方へゆっくり振り返りながら今井先生は言う。
「それに…お前やっぱり青山先生と付き合ってるだろ。」
ニヤリと笑いながら少しずつ私の方へ近づいて来た。
「資料室行ったとき、椅子にお前のカバンがあったの見えたよ。
あの時いたんだろ。」
私のカバンを指差す。
そこには、キャラクターのストラップがぶら下がっている。
私は何も言えず黙っていた。
「それに…見たんだよねオレ。
何ヶ月か前、裏庭で二人が抱き合ってキスしてるとこ。ほら…」
ポケットから携帯を取り出すと、画面をこちらに見せる。
『…!!』
それは私たちのキスしている写真で…私は驚いて目を見開いたまま動けなかった。
今井先生は私の目の前で立ち止まり、私の髪に触れる。
いつもの私なら抵抗するとこだが彼との事を写真に撮られてしまった事に動揺して、体が動かなかった。
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