ワタシノタイヨウ
そう…

前回はせっかく彼に勉強を見てもらったのに、精神的にボロボロになっていた私は散々な成績に終わってしまった。


『ねぇ先生、また勉強見てもらえる?』


「ああ、いいよ。」


彼はふっと微笑む。


『今度こそいい点取れるようにがんばるね。』


私がニッコリ微笑むと


「いい点取れたらご褒美やるよ」


『えっ?ホントに!』


私は思わず身を乗り出した。


「げんきんなヤツだな。ご褒美に反応しやがって。」


『アハハ、ごめんなさい。』


私は苦笑いを浮かべ、乗り出した身体を元の位置に戻す。


「そうだな。俺のテストは難しいから…80点以上取れたらカスミの欲しい物何でも買ってやるよ。」


『80点かぁ。わかった、私がんばる!』


確かに彼のテストは難しかった。


前回も平均点が60点もいってないくらいで…


それでも私は彼にいい所を見せたかったし、ご褒美も欲しかったし…


すると彼が書類に目を通しながら呟いた。


「カスミがいい点取ってくれれば、俺も安心して一緒にクリスマスを過ごせそうだ。」


『えっ?』


(今、クリスマスって言った?)


「その日、空けとけよ?」


彼はちらっと私を見るとニヤリと笑う。


『も、もちろん!先生以外の人とクリスマス過ごす気なんてないもん。』


(先生、ちゃんと考えてくれてたんだっ!)


「ただ、いい点取らないと俺その日機嫌悪いかもよ。」


ククク、と笑い意地悪な表情を見せる彼。


『うっ、プレッシャーかけないでよぉ。』


私がへにゃとした表情を見せると彼は笑いながら私の頬に触れる。


そして、頬をむにゅっとつねって


「そんな、情けない顔するな。」


そう言って優しい笑顔をくれた。



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