ワタシノタイヨウ
私が2度目のため息をついた時、


「ねえ、私がいない間に何かあった?話したくないなら無理には聞かないけど。」


と、彼女は少し心配そうに私を見つめたずねる。

私は彼の事をツキコに話そうか考えていると、


「もしかして、誰かに恋しちゃった‥とか?」


私は一瞬ドキッとしてツキコの顔をチラッと見た。

けどすぐに窓の外へ視線を移す。


『ねえ、ツキコって彼氏いたよねぇ。なんで好きになったの?』


私は窓の外を見つめたままツキコに聞いた。

彼女は少し驚いた顔をして私を見つめていたけど、すぐに「ふぅ〜ん」と言いニヤリと笑った。

ツキコはすぐに突っ込まず、私の質問に答えてくれた。


「そうだなぁ。改めて聞かれるとよく覚えてないんだけど‥気が付いたら好きになってたかな。」


ツキコは彼との事を思い出しているのか、遠くを見つめている。


『気が付いたら好きに‥?』


私が呟くと、


「ん〜、私が辛い時にそばにいて励ましてくれて‥気が付いたら彼がそばにいるのが当たり前になってて。」


そう言って一呼吸置くと、彼女は窓の外を見て続ける。


「ある時、もし彼が私の前からいなくなったら‥ってふと考えた時、胸が苦しくなって今すぐ彼に会いたいって思った。私っていつの間にか彼の事好きになってたんだなぁって。」


ツキコは私の顔を見てニッコリと微笑んだ。



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