ワタシノタイヨウ
『ハァ〜』


私は大きく息を吐いた。


心臓はまだドキドキいってる。


彼が見せた表情が、目に焼き付いて離れない。


一瞬私に向かって微笑んで見せた顔も、泣いてるように見えたんだ。


(なんで、あんなに切なそうに空を見上げてたんだろう…)


なぜか私は、とても気になった。


初めて会った人なのに…なんでだろう?


自分のこの気持ちがなんなのか、しばらくその場で考え込んでしまった。


桜の花びらが、私の頭や肩に優しく舞い落ちている事にも気付かずに…。



私は初めて感じるこの気持ちに、なんだか少しワクワクしていた。



すると、私の横を駅に向かって走っている学生が目に入る。


『あっ!』


私は慌てて携帯を開き時間を確認する。


『やっば…』


時間を見て驚いた私は、駅に向かって走り出していた。



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