ワタシノタイヨウ
(うっ、なんか無反応…やっぱダメかな…)


そう思いつつ、首をかしげ笑って見せる私。


そんな私を見て、こちらを向いていた体を机の方へ戻す。


(まさか、無視された!?)


そう思った瞬間、背中を向けたまま彼は、


「どこが解らないんだ。」


と言って左手を差し出した。

私は慌ててカバンの中から教科書を探す。


(やった〜!拒否されるのも覚悟してたんだけど…よかったぁ。)


ホッとしながら、彼に近づく。


「そこの椅子使って。」


彼は少し横にずれて隣りを空けてくれる。


(なんか、ちょっと緊張してきたかも…)


ドキドキする気持ちを抑えながら、彼の隣りに座る。

机の上には、なんだか難しい本や資料が並べられ、パソコンで何やらレポートのような物を作っていたようだ。


『もしかして、今忙しかったですか?』


心配になって聞いてみると、


「別に、大丈夫だよ。」


とぶっきらぼうに答える。
そして私の顔を見てたずねた。


「解らないとこってどこ?」


『えっと…ここと、ここと、ここと…あと、ここも…』


私は緊張しながら、教科書をペラペラめくる。

すると隣りでため息が聞こえた。


「お前さ〜、これじゃあテスト範囲ほとんどじゃん。」


そう言って彼は、横目でジロっとにらんだ。



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