ワタシノタイヨウ
(怒っちゃったかな‥?あっそうだ!)


「あの〜これ‥どうぞ。」


私はカバンから缶コーヒーを取り出し、おずおずと彼に差し出す。

彼はジーっとそれを見つめ、


「何、物で釣ろうっての?」


そう言って私をチラッと見て、プッと笑った。


「貰っとくよ。ありがと。」


彼は私の頭をポンポンと叩いた。

私は彼に叩かれた頭にそっと触れる。こんな事が嬉しくて、あったかい気持ちになる。


横で缶を開けようとしていた彼の手が止まり、


「お前のは?」

『あっ、私はこれ‥』


カバンから取り出したのは100%のリンゴジュース。


『コーヒーは飲めなくて…って先生それで大丈夫だった?』


「ああ、大丈夫だよ。お子ちゃまのお前と違って、オレは大人だからな。」


そう言ってニヤリと笑い、缶を開けゴクゴクと飲み始めた。


「でも今度はブラックにしてくれると嬉しいかな。オレって大人だから。」


隣りで悪戯っぽく言う先生の顔を見て、私は大きく頷き笑顔を返す。


(コーヒーはブラックね♪)


1つ彼の事がわかり私は嬉しくなった。

こうやって少しずつ彼の事を知っていきたいと思った。



*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
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