ワタシノタイヨウ
あれからもう何日も経っていた。


あの日以来、私は放課後彼に会いに行っていない。


その間にテストも始まり、当然の如く結果はボロボロで……。


(誰も好きにならない、ずっと1人で生きて行く……)


彼の言葉がずっと頭から離れず、何度も何度も心の中で繰り返される。


その度に私の心は苦しくなった。


「カスミ‥次移動だよ。」


休み時間、ボーっとしていた私のもとへツキコが近づいて来る。


『ん…今行く。』


私は教科書を持ち立ち上がった。



   * * * * *

あの日の帰り、今井先生と別れた後、ツキコはたまたま私に電話をくれた。


彼女の声を聞いたとたん、止まっていた涙が再び溢れ出る。


涙のせいでうまく話す事の出来ない私を心配して、ツキコは私を迎えに来てくれた。


私たちはツキコの家に行き、彼女は私の話しを隣りで黙って聞いてくれる。


そして私の頭を優しく撫でて、


「きっと先生には、過去に辛い事があったんだね…」


私は小さく頷く。


『私…先生を助けたい。』


消え入りそうな声で言う私に、


「うん…カスミにならきっと出来るよ。」


そう言って優しく微笑んだ。



*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
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