ワタシノタイヨウ
第二話 涙
彼は2年の物理を担当している。


授業の時は、白衣を着てメガネをかけていた。


授業中は必要以上の事は喋らず、淡々と授業を進めていくタイプのようだ。



初めの頃は結構女子に人気があった。


囲まれているのをよく見かけたけど、彼は興味が無いのか、


「今、忙しいから‥」


と言ってすぐどこかへ消えてしまう。


ぶっきらぼうであまり喋らないせいか、周りに集まっていた女子も今はほとんど見かけなかった。


同じ時期に赴任してきた英語の今井先生は、彼とは正反対の性格だった。


明るくて優しいと女子から評判も良く、見かけるたびに女生徒がそばにくっついていた。




私は、カッコイイとかそうゆう事ではなく、彼‥青山先生が何故か気になっていた。



あの日の彼の姿が、今でも頭から離れず思い出せる。

私はあの日の事を彼に聞いてみたかったけど、まだ聞けずにいたのだった。



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