ワタシノタイヨウ
(えっ!?)
引き寄せられた私の頭は彼の腕の中にあった。
微かにタバコの香りがする。
私がドキドキしていると、
「ありがとう…。」
そう言って、彼は優しく私の頭をなでた。
「オレはずっとサエの死と向き合う事が出来なかった。現実を受け入れるのが怖かったんだ。でもお前の言葉で、少しずつだけど向き合ってみようと思うよ。」
私の心はドキドキしながらも、穏やかな気持ちで彼の話しを聞いていた。
「これから先どうなるかはわからないけど…とりあえず前を向いて生きて行くよ。サエの分も…」
そう言って私の顔を見つめ微笑んだ。
今の私には、この彼の言葉で十分だった。
“前を向いて生きて行く”
彼は止まっていた時間を動かす事を決めたんだと思う。
少しずつではあるけれど……。
私の気持ちは変わらない。
むしろ彼の過去を知った事で、前よりもっと愛おしく思える。
私たちは、茜色に染まっていく空と、ゆっくり沈んでいく太陽を、しばらく黙って見つめていた。
私は沈みゆく太陽に、ずっと彼の隣りで笑っていようと誓った。
いつかこの想いが届くように…。
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
引き寄せられた私の頭は彼の腕の中にあった。
微かにタバコの香りがする。
私がドキドキしていると、
「ありがとう…。」
そう言って、彼は優しく私の頭をなでた。
「オレはずっとサエの死と向き合う事が出来なかった。現実を受け入れるのが怖かったんだ。でもお前の言葉で、少しずつだけど向き合ってみようと思うよ。」
私の心はドキドキしながらも、穏やかな気持ちで彼の話しを聞いていた。
「これから先どうなるかはわからないけど…とりあえず前を向いて生きて行くよ。サエの分も…」
そう言って私の顔を見つめ微笑んだ。
今の私には、この彼の言葉で十分だった。
“前を向いて生きて行く”
彼は止まっていた時間を動かす事を決めたんだと思う。
少しずつではあるけれど……。
私の気持ちは変わらない。
むしろ彼の過去を知った事で、前よりもっと愛おしく思える。
私たちは、茜色に染まっていく空と、ゆっくり沈んでいく太陽を、しばらく黙って見つめていた。
私は沈みゆく太陽に、ずっと彼の隣りで笑っていようと誓った。
いつかこの想いが届くように…。
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