ワタシノタイヨウ
彼は黙々と仕事をしていた。
静かな部屋にパソコンを打つカタカタという音がやけに響く。
私が話しかけなければ、ずっとパソコンの音だけが響いているだろう。
それもあんがい心地よかったけど…私は前から疑問に思っていた事を聞いてみた。
『ねえ先生、授業のときメガネしてるけど、今はしてないよね。見えるの?』
パソコンを打っているのに彼は、メガネをかけていなかった。
放課後見る彼はメガネをかけていなかったけど、それは普段は支障がないからだと思っていた。
でも勉強を教えてもらってた時もかけてなかったし、今も…。
彼はこちらを見ずにパソコンを打ちながら、
「見えるよ。」
表情を変えず、黙々と仕事を続ける。
『先生目悪いんじゃないの?』
私がそうたずねると、動いていた指が止まり、彼はこちらを見た。
「悪くないけど…。両目1.5だし。」
『えっ!?だって授業のときメガネしてるじゃん。』
私が驚いた顔で彼を見つめていると、
「あー、あれはメガネしてた方がなんとなく先生らしく見えるかと思ってさ。ほら若いと舐められるだろ。」
彼はそうクールに言い放つ。
『じゃあ、あのメガネは…』
「度なんて入ってねえよ。かけてみるか。」
そう言って引き出しからメガネを取り出し私に渡した。
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
静かな部屋にパソコンを打つカタカタという音がやけに響く。
私が話しかけなければ、ずっとパソコンの音だけが響いているだろう。
それもあんがい心地よかったけど…私は前から疑問に思っていた事を聞いてみた。
『ねえ先生、授業のときメガネしてるけど、今はしてないよね。見えるの?』
パソコンを打っているのに彼は、メガネをかけていなかった。
放課後見る彼はメガネをかけていなかったけど、それは普段は支障がないからだと思っていた。
でも勉強を教えてもらってた時もかけてなかったし、今も…。
彼はこちらを見ずにパソコンを打ちながら、
「見えるよ。」
表情を変えず、黙々と仕事を続ける。
『先生目悪いんじゃないの?』
私がそうたずねると、動いていた指が止まり、彼はこちらを見た。
「悪くないけど…。両目1.5だし。」
『えっ!?だって授業のときメガネしてるじゃん。』
私が驚いた顔で彼を見つめていると、
「あー、あれはメガネしてた方がなんとなく先生らしく見えるかと思ってさ。ほら若いと舐められるだろ。」
彼はそうクールに言い放つ。
『じゃあ、あのメガネは…』
「度なんて入ってねえよ。かけてみるか。」
そう言って引き出しからメガネを取り出し私に渡した。
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