ワタシノタイヨウ
『もうっ…ホント生意気!』


見た目はかわいいけど、口は悪い…。


私が大きくため息をつくと、それを見ていた友達が私の耳元で、


「あれは絶対、カスミの事好きだねぇ。」


『えぇっ…そうかなぁ。違うと思うけど…』


ユウ君の事は好きだったけど、それは私にとって恋愛対象ではなくかわいい弟が出来た感じだった。


(私は先生の事が好きだしな…)





私は友達とおしゃべりをしながらコートへ向かって歩いていると、ふとある人物の姿が目に入った。


(げっ‥今井先生がいる。何してるんだろう?)


そう思っていると友達が、


「ラッキーだったよね。キヨミちゃんの変わりが今井先生でさ。」


キヨミちゃんとは、女子テニス部の顧問の高田キヨミ先生の事。


『えっ、変わりって……』


「カスミ最近部活来てなかったからね。ほら、キヨミちゃんお腹大きかったじゃん。」


(あっそういえば……)


『そのうち産休に入るって言ってたっけ…』


「そう。それで変わりの顧問が、今井先生ってわけ。」


『そうだったんだ……』


(今井先生、今年赴任してきたから部活の顧問何にもしてなかったのか…)


ふと青山先生の顔が浮かぶ。


もしかして、私が部活に行ってないの、今井先生から聞いたのかも……。



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