ワタシノタイヨウ
私は「人違い」と言われた事に納得がいかず、彼にもう一度聞いてみようと、放課後彼を捜す事にした。


すると前から英語の今井先生が歩いてきて、


「えっと君…悪いんだけどこの荷物運ぶのちょっと手伝ってくれない?」


と言われ、断る理由もなかった私は、仕方なく手伝う事にした。


「君は…えっと2年の…」


『鈴原です。』


「あ〜そうそう。1組の鈴原ね。始業式遅刻しそうになってた。」


と私の方を向きニヤっと笑って見せる。


『み、見てたんですか!?』


私は恥ずかしくなって、うつむいてしまった。


今井先生は、クスクスと笑いながら前を歩いている。

(そっかぁ、あの時は彼の事しか目に入ってなかったからなぁ。他の先生にも見られてたんだぁ。最悪‥)


私が落ち込んでるのを見て、今井先生は


「まぁよくある事だし、あんまり気にするな。」


と爽やかな笑顔で、私を励ましてくれる。


今井先生の人気の理由は、この爽やかな笑顔らしいけど…。

私にはこの笑顔がなんだか嘘っぽく、軽く見えてあまり好きにはなれなかった。

まぁ本当のところなんてわからないけど、私にとって今井先生は苦手なタイプだった。



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