ワタシノタイヨウ
あの後今井先生にダブルスのペアを組まされ、私はしばらく動けないくらい疲れ果てていた。
ベンチでぐったりしている私を見ると、
「鈴原は体力ないなぁ。一から鍛え直しだな。」
そう言って今井先生は、ポンっと私の頭を軽く叩く。
そんなやり取りを、刺すような瞳でユウ君が見つめていた事に、私は全く気づかなかった。
片付けが終わり部室に戻ろうとした時、後ろから肩を叩かれた。
振り返ると…
――むにゅ――
人差し指が私の頬に突き刺さる。
「今時ひっかかるかぁ?ぷっ、変な顔。」
そこには笑いをこらえるようにして、ユウ君が立っていた。
『なぁにかぁ、よおぉ〜』
私はユウ君をじろっと睨む。
少しひるんだユウ君は、慌てて指をどけると、
「あのさ、帰りみんなでモス行くんだけど…先輩も一緒に行かない?」
ちょっと照れた顔で頭を掻きながら私を見る。
(うぅ〜ん、これから先生のとこ行くから無理だなぁ)
今日は部活に行く前、偶然彼に会い、終わったら行く約束をとりつけていた。
『ごめんユウ君。私この後約束があって…。次は行くから、また今度誘って。』
私は両手を顔の前で合わせてユウ君に謝る。
「そっか…約束あるなら仕方ないよ。じゃあまたな。」
しょんぼりした顔で小さく笑うとユウ君は私に手を振りながら走り去っていった。
寂しそうなユウ君の後ろ姿を見てちょっぴり罪悪感が残る。
(でも、私の一番は先生だから仕方ないよね。)
私は急いで部室に戻り着替をすませ、彼のもとへ向かった。
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
ベンチでぐったりしている私を見ると、
「鈴原は体力ないなぁ。一から鍛え直しだな。」
そう言って今井先生は、ポンっと私の頭を軽く叩く。
そんなやり取りを、刺すような瞳でユウ君が見つめていた事に、私は全く気づかなかった。
片付けが終わり部室に戻ろうとした時、後ろから肩を叩かれた。
振り返ると…
――むにゅ――
人差し指が私の頬に突き刺さる。
「今時ひっかかるかぁ?ぷっ、変な顔。」
そこには笑いをこらえるようにして、ユウ君が立っていた。
『なぁにかぁ、よおぉ〜』
私はユウ君をじろっと睨む。
少しひるんだユウ君は、慌てて指をどけると、
「あのさ、帰りみんなでモス行くんだけど…先輩も一緒に行かない?」
ちょっと照れた顔で頭を掻きながら私を見る。
(うぅ〜ん、これから先生のとこ行くから無理だなぁ)
今日は部活に行く前、偶然彼に会い、終わったら行く約束をとりつけていた。
『ごめんユウ君。私この後約束があって…。次は行くから、また今度誘って。』
私は両手を顔の前で合わせてユウ君に謝る。
「そっか…約束あるなら仕方ないよ。じゃあまたな。」
しょんぼりした顔で小さく笑うとユウ君は私に手を振りながら走り去っていった。
寂しそうなユウ君の後ろ姿を見てちょっぴり罪悪感が残る。
(でも、私の一番は先生だから仕方ないよね。)
私は急いで部室に戻り着替をすませ、彼のもとへ向かった。
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