ワタシノタイヨウ
昨日の事で学校へ向かう足どりが重かった。


あの後私は部活にも出ず彼にも会わず、家へ帰ってしまっていた。



(ユウ君がサエさんの弟……)



ただこの事実を私が知ってしまった事を、2人は知らないわけで…


だから私はいつも通りでいなくちゃと思い、気分は憂鬱ながらも部活へ向かっている。


彼にも会いに行こうと思ってはいるが、私はこの事を彼に話したほうがいいか迷っていた。






『はぁ…』


私がため息をつきながら歩いていると、後ろから急にバンっと背中を叩かれた。


「カスミ先輩、何ため息ついてんの?」


(あっユウ君……ため息の原因は君なんですけど……)


私は横目でチラッとユウ君を見て


『別にぃ…』


「なんだよ、その気のない返事。あっそういえば、昨日部活サボっただろ。」


そう言ってユウ君は私をじろっと睨む。


私は一瞬昨日のユウ君と彼のやり取りを思い出し、目をそらしてしまった。


『私だって、いろいろあるの!』


動揺を悟られないよう、私もユウ君の背中を叩いてごまかす。


「いろいろってなんだよ。暇人のくせに。」


『暇人で悪かったわね。そっちだって彼女の一人もいなくて暇人のくせにぃ。』


私はいつものように悪態をついてみる。


「あのさぁ、先輩に言われたくないんですけど。そっちだって男いないじゃん。」


そう言ってバカにしたように鼻で笑った。


『…うっ…いる…もん。』


悔しかった私は、バレバレの嘘をついた。


きっと「嘘つき」とか言われて、何かされると思い、少し身構えていると……



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