ワタシノタイヨウ

『青山先生には言わないで!』


言ってからその言葉の重要性に気がつく。



「なんで?」


今井先生は私を見て、ニヤリと笑った。



(しまった!余計な事言っちゃったよ…)



以前彼から、ユウ君といちゃついてるって今井先生から聞いたって言ってたから、つい口に出てしまった。



「先生〜カスミ〜何してるのぉ?早くぅ〜!」


先輩がコートで待っている。


「お〜今行く〜。鈴原にサーブのコツ教えてたんだよ。」


そう言って私の肩をポンと叩いて歩き出した。


私は慌てて今井先生の後ろから


『と、とにかくこの事は誰にも言わないで下さい。』


そう言って私は今井先生に念を押した。



「まあ、この話しはまた後で。
とりあえず青山先生には秘密にしといてやるよ。」


彼はこちらを振り返りニヤっと笑って行ってしまった。



私はかなり動揺していた。


ユウ君との事を見られ、先生への気持ちも知られてしまったんじゃないかと思うと……


その後の部活は全然集中できず、ずっと上の空の私だった。



*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
< 84 / 156 >

この作品をシェア

pagetop