ワタシノタイヨウ
座ってと言われたけど、なんとなくイヤだった私は立ったまま先に話し始める。


『あの…さっきの件ですけど…』


「ねぇ、オレとデートしない?」


『はっ…?』


急に今井先生は訳のわからない事を言い出した。


「いろいろ黙っててやるから。」


今井先生はニコニコしながら私を見つめている。


『いろいろって…』


「だから、さっきの神尾との事とか、青山先生と付き合ってる事とかぁ。」


『ちょっと待って下さい!私青山先生と付き合ってませんけど!』


今井先生の意味不明の言葉に、私はパニックになっていた。



「えっそうなの。彼の仕事部屋に行くとこ何度も見たから、てっきり…ふ〜ん、こんなかわいい子にまだ手出してないんだ。もったいないなぁ。」



私が青山先生に会いに行っていたのを見られていたみたいだけど、後半の今井先生の言葉は私を余計混乱させた。



『先生、何言ってるんですか!』


今井先生は少しずつ私に近づく。


それに合わせて私は後ろへ後ずさった。



「神尾との事、青山先生に知られたくないんだろ。片想い中ってやつか?あぁ前泣いてたのって青山先生関係してたりして。」


後ずさっていた私の背中に壁があたる。


目の前に来た今井先生は、壁に片手をつきもう片方の手で私の腕を掴んだ。


「黙っててやるからさ〜」


今井先生の顔が近づいてくる。



『…っ、いやっ!』



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