ワタシノタイヨウ
北海道で家族と楽しく過ごし、自然とも触れ合い、十分気持ちが癒されて帰ってきた私は朝からご機嫌だった。
今日から部活が始まるからだ。
今井先生には会いたくなかったけど、青山先生には1秒でも早く会いたかった。
私は部活が始まる前に会いに行こうと、少し早めに起きていた。
とりあえず顔を洗いリビングへ行くと、
「カスミ、なんか顔ニヤけてるけど、どうしたんだ?」
トーストをかじりながら私の兄・タツミ(大学3年)が不思議そうに私の顔を見つめている。
『えっ!?別に何にもないけど』
慌てて両手で頬に触れてみる。
「そうかぁ。珍しく早起きだし、デートにでも行くのかと思った」
『ちょっ何言ってんの!そんな相手いないし。』
「お前、まだ彼氏いないのかよ。可哀相な妹……」
コーヒーをすすりながら、大袈裟に悲しそうな顔をするタツミ。
『もう、タツ兄には関係ないでしょ。そっちこそ珍しく家にいるけど、彼女に振られたの?』
イヤミたっぷりに言い返す。
「ば〜か。今日はこれからバイトなの。デートは夜から。」
タツミはニヤリと勝ち誇ったように笑ってみせた。
「タツミっ早くしなさい!バイト遅れるわよ。」
キッチンで洗い物をしていた母に声をかけられ、タツミは時計をちらっと見る。
「あっ、やっべぇ…」
慌てて立ち上がったタツミは、私の横を通り過ぎる瞬間髪の毛を、わしゃわしゃっとして、
「早くいい男見つけろ。」
そう言って玄関へ消えていった。
『大きなお世話……』
ボソッと呟いた私の声はタツ兄にはもう届かなかった。
*‥*‥*‥*‥*‥*‥*‥*
今日から部活が始まるからだ。
今井先生には会いたくなかったけど、青山先生には1秒でも早く会いたかった。
私は部活が始まる前に会いに行こうと、少し早めに起きていた。
とりあえず顔を洗いリビングへ行くと、
「カスミ、なんか顔ニヤけてるけど、どうしたんだ?」
トーストをかじりながら私の兄・タツミ(大学3年)が不思議そうに私の顔を見つめている。
『えっ!?別に何にもないけど』
慌てて両手で頬に触れてみる。
「そうかぁ。珍しく早起きだし、デートにでも行くのかと思った」
『ちょっ何言ってんの!そんな相手いないし。』
「お前、まだ彼氏いないのかよ。可哀相な妹……」
コーヒーをすすりながら、大袈裟に悲しそうな顔をするタツミ。
『もう、タツ兄には関係ないでしょ。そっちこそ珍しく家にいるけど、彼女に振られたの?』
イヤミたっぷりに言い返す。
「ば〜か。今日はこれからバイトなの。デートは夜から。」
タツミはニヤリと勝ち誇ったように笑ってみせた。
「タツミっ早くしなさい!バイト遅れるわよ。」
キッチンで洗い物をしていた母に声をかけられ、タツミは時計をちらっと見る。
「あっ、やっべぇ…」
慌てて立ち上がったタツミは、私の横を通り過ぎる瞬間髪の毛を、わしゃわしゃっとして、
「早くいい男見つけろ。」
そう言って玄関へ消えていった。
『大きなお世話……』
ボソッと呟いた私の声はタツ兄にはもう届かなかった。
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