嫌いなアイツ
目を開くと、赤い光が目に飛び込んできた。眩しさに目を細め、向こうをみる。もう、日が沈んでいた。グランドをみると、野球部も帰り支度をしていた。
「寝過ぎた……」
「本当に。よく寝てたよ」
突然、独り言に返事をされて、私は声の方を慌てて振り返った。寝る前に見かけた青色のラインが目に入り、誰かをやっと認識した。
「ああ。先に来てた人か」
「そうだよ。君は、後から来た人だね」
「そうね」
学年や、クラスはどうでも良かった。ここに来る人は、サボりだから。サボりには、その人の気分が大きいから。