本当の愛を知った日
五章 時の流れ
紗結は敦史と初めて会った日のことを思い出した。
痴漢に遭った日。
助けてくれた孝人は、
一緒に学校へ行こうと言ってくれた。
あんな目に遭って、人混みの中を一人で歩きたくなかった紗結は、
孝人の言葉に甘えることにした。
駅長室を出て、孝人の後ろを歩いていく。
駅の入り口に4人の人影が見えた。
4人は孝人に気付くと大きく手を振った。
孝人は手をあげて返すと、紗結を気にかけながら4人の元へと行く。