本当の愛を知った日


「早かったわね」


母親はそう言うと二人に駆け寄った。

そして紗結を見る。

出かける前と様子の違う紗結に、母親は心配になった。


「紗結ちゃん?」


母親は紗結に声をかける。

紗結はゆっくりと顔をあげた。


そして笑って口を開くが、

その顔は無理してるのが分かる。


「おばさん、ただいま」


敦史はそんな紗結を見ると心を痛めた。

敦史は見るに耐えなくなって紗結の手を引くと階段を上った。


そんな二人を母親は心配そうに見つめる。




< 137 / 210 >

この作品をシェア

pagetop