本当の愛を知った日


敦史は紗結が出て行ったドアを見つめていた。

そして勢いよく壁を殴った。


「なんでだよ………なんで話せねーんだよ……」


やり場のない悲しみを、思い切り壁にぶつけた。

何も話してくれない紗結に対して、怒っているんじゃない。

こんな時、紗結に何もしてやれない自分が悔しくてしょうがない。

俺は、あの優とかいう男に勝てないのか…?




< 144 / 210 >

この作品をシェア

pagetop