本当の愛を知った日
九章 好きだから
それから一週間。
敦史は毎日紗結にメールをした。
電話も何回もかけた。
けれど、
紗結は一向に電話に出ない。
メールの返事もこない。
「くそっ……」
敦史は苛立って携帯を放り投げた。
敦史がこんなに女に対して必死になったのなんて初めてだった。
今までは好きな人ができても、ただ見ているだけだった。
密かに心の中では諦めていたのかもしれない。
どうせ手に入るわけない。
そう思っていたのかもしれない。