本当の愛を知った日
年は17、8といったぐらいだろうか。
その女はいきなり紗結の胸ぐらを鷲掴みにした。
紗結は何が何だか分からずに、泣きそうな目で女を見つめた。
その女は一言『ブスのくせに優に手ぇ出してんじゃねーよ!!』と言い残し、
紗結を地面に叩きつけると、そのまま通り過ぎていった。
紗結は突然のことに泣くことさえできず、まっすぐ優の家へと向かった。
『気にすんなよ。俺には紗結だけだから』
そう言ってくれるのを信じて。
けれど、
全てを話したあとの優の表情は、とても冷酷なものだった。