本当の愛を知った日


「ただいま」


敦史に抱きつきながら紗結は笑顔で言った。

敦史は自分の腕の中にいる紗結が本当に愛おしくて、

きつく、きつく抱きしめた。


2ヶ月前は話すことさえほとんどなかった二人の関係。

それが今は相思相愛の恋人同士。


大きな壁を乗り越えて、また愛が深まった気がした。


二人は敦史の部屋へと収まった。

敦史が紗結の髪をそっと撫でた。

そしてそのまま唇を重ね合わせた。


優しく、愛のあるキス。

その日、二人は初めて一つになった。

お互いの体温を感じて、幸せを噛みしめていた。




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