本当の愛を知った日
十五章 君想ふ
その瞬間、屋上のドアが開く音がした。
二人が目を向けると、そこには紗結の姿があった。
「紗結!!」
敦史がかけよった瞬間、
紗結はずるずると腰を抜かした。
孝人は紗結を見つめたまま、動けなくなっていた。
「紗結!? 大丈夫か!?」
敦史は紗結の肩を揺すった。
紗結の目からは涙が流れている。
「なんで………」
「えっ?」