ひまわりの丘

りっちゃんは俯いてしまったから、あたしが応えた。


「うん。蒼太君は?」

「新作ができたから、納品にきたんだ。どうやって来たの?」

「キョウコさんの車で。帰りはバスなの」


そしたら蒼太君は、遠慮がちに言ってきた。

「じゃあ、帰り送ってあげるから、俺も混ぜてくれない?」


それを聞いたりっちゃんが「へっ!」と声をあげて。


「あっ やっぱり、ダメだった?」

と、心配そうな顔を向けた蒼太君。


「ダメじゃないダメじゃない!!
ねっ りっちゃん?」


あたしが訊くと、りっちゃんはコクリと頷いた。

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