ひまわりの丘
あたし、何してるんだろ。
こんなバカバカしい光景、黙って見物してたって仕方ないよ。
もう、こんなとこいられない。いたくもない。
視線を下げ、回れ右をして扉へ向かって早足で歩いた。
「待てよ!」
隼太が後を追って来たけど、足を止めるつもりなんてない。
勢いよく扉を開け外へ出ると、丘の続く小道の先にジンさんの4WDが停まっているのが目に映った。
間もなく運転席のドアが開いて降りてきたのは………蒼太君だった。
それを確認したあたしは、走りだした。
後ろから掴まれた腕を振り解き、振り向きをせず走った。