ひまわりの丘
隼太の後ろに立って、描きかけのキャンバスを眺めた。
黄色でもオレンジでもなく……だけど鮮やかで美しい色。
「ひまわり?」
「うん。サキさんの発注でね」
筆を握った手がしなやかに動く。
その指を見ていたら、心臓がドクンと波打った。
それに、男のくせにサラサラの綺麗な髪の毛や、ブルーグレーのチェックシャツを纏った背中も。
見つめていると、思わず触れたくなる。
隼太ではなく“シュウ”って呼びたくなる。
「その絵が完成したら、またどこか外国へ行くの?」
何気ない感じで尋ねた。
「うん。そのつもり」
何気なく返ってくる応え。
どうしようもないくらい胸が締めつけられる。
それは、苦しくて……痛いんだ。