ひまわりの丘
それから数日が経ち、りっちゃんの家で忘年会が開かれていた。
大人達は、どんどんお酒が進んで話も盛り上がっていき、その様子を、りっちゃんと笑いながら眺めていた。
そこへ、先に帰ったサキさんを送りに出て行った蒼太君が戻ってきて、あたしの隣に腰を下ろした。
「あいつは来るって言ってた?」
あたしの顔は見ずに蒼太君が言った。
「さぁ……どうだろうね」
曖昧な答えた方をしたけど、蒼太君だって気づいてるはずだ。あたしが毎日、丘の上へ行ってることなんて。
「いま描いてる絵が仕上がったら、また旅に出るって?」
「…うん。そうみたい、だね……」
なんとなく感じたこと。
それは、蒼太君との間に流れる空気が、以前までのものとは違っているということだった。