ひまわりの丘
電話を切ってまだ間もないのに、もう何時間も待っているように感じて。心細さが増していく。
救急車ってどのくらいで来るんだろう? だけど、ここは田舎だし……
不安でたまらなかった。
握っているサキさんの手をそっと置き、衝動的に外へ出た。
見上げた丘の上に明かりはなかった。
がっくりと肩を落とし目頭が熱くなりかけた時……夜の静寂の中に響く音。
ギュッギュっと雪を踏みしめる靴の音が次第に近づいてきて……
「隼太っ!!」
夢中で駆け寄り、しがみついた。
自然と上着を掴む手に力がこもる。
「そんな血相変えて、どうしたんだよ?」
優しく笑いかけてきた隼太だけど、あたしのただならぬ様子に、すぐに表情を変えた。