ひまわりの丘
家へ戻ったあたしは、居間へ入るなり床へペタリとお尻をついて座りこんだ。
「もう少しでお湯が溜まるから、風呂に入ったら今日はもう寝れよ」
呆然として動けないでいるあたしの代わりに隼太は、玄関の鍵を開け暖房を点けコーヒーを淹れ、そしてお風呂の準備までしてくれている。
「ねぇ?」
「ん?」
「あたしがお風呂に入ってる間に、帰っちゃうの……?」
尋ねると、こっちを見てフッと笑って目を細めた。
「そんな顔してる由那を一人になんてしていけないだろ? 今日はここへ泊まってくよ。
でも安心して? 寝込み襲ったりはしないからさ。今夜はね」
不安でいっぱいのあたしに、わざとそんなこと笑って言ってくる。
「大丈夫だよ。細かい検査もしてみるって言ってたんだし。病院に任せておけって」
「うん……そうだね」
いつものあたしらしく、もっと強気な返事を返したいんだけど、うまくできなくて。そしたら隼太が
「そおんな顔してるんなら、風呂も一緒に入ってやろうか?」
って、隣にしゃがんで顔を覗きこんできた。