ひまわりの丘

「じゃあ、手伝わなくてもいいから一緒に行ってよ?」


腰を屈め、俯いたままのあたしの顔を覗きこんでくる。

息が詰まりそう……苦しいよ。


「由那?」

「……」

「ゆーなっ?」

「ねぇ 隼太?」

「なに?」

「あたしの、絵を描いて?」

「え?」


そこで顔を上げた。


「前に言ったじゃない。『俺のモデルになって』って」

「なんだよ急に?」

「だって言ったでしょっ? 本気じゃなかったの? からかっただけ?」


まくしたてながら言ったら、隼太は困ったような顔をして首の後ろを掻いた。

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