ひまわりの丘

そして次の日の朝。

連打される玄関チャイムの音で、目が覚めた。

インターフォンのモニターに写ったのは、レンズの前でしかめっ面をする隼太の顔。


「なーに?」

「早く開けてって!」

「でもあたし、まだパジャマだし」

「何着てたっていいから、早くして。マジ寒いからっ」


鍵を開けると玄関に飛び込んできた隼太は、冷えきった両手であたしの頬を挟んだ。


「冷たっ もう何すんのぉーっ?」


怒るあたしの横を通り抜け、部屋の中へ入っていく隼太。

そして振り返り、あたしのことを繁々と見つめて、こんなことをぬかした。


「それにしても、色気のないパジャマだな~」


色気のあるパジャマって、どんなだよ。

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