ひまわりの丘

「裸になって、それを絵に、するの?」

「うん。由那を描くには、それが一番だと思ったから」


なんて、なんでもないことのようにさらっと言えちゃうかな?

それに、どうしてそんな子供みたいな目をするんだろ。


「そんなの、聞いてないよ」

「だから、今言った。
別に、初めて見せるわけじゃないじゃん?」

とイタズラっぽい顔までする。

「そういう問題じゃないでしょ?」


この状況で、そんな赤面させるようなこと言わないでほしい。

それで自分だけそうやって、いっつも平気な顔してるんだから。

普通なら、即答で断る話なんだけど……でもあたしは考えたの。

真面目に、悩んだんだ。



―― 30分、40分くらいかな?
……ううん、もっと長かったと思う。

天井を仰いだり膝を抱えたりしながら、悩んで考えて……真剣に決めたんだ。


「いいよ。裸になっても……」

呟くように小声で言ったら

「了解」って、隼太が無邪気に笑った。

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