ひまわりの丘
深く長く、深呼吸をする。
震える手でパーカーの裾を掴んで、それを一気に引きあげた。
頬にまとわりつく髪を首を振ってはらい、キャミソール姿になり露わになった腕をさする。
一瞬躊躇して、今度はボトムのファスナーを指で摘まんだ。
ゆっくりと下ろしながら、隼太の後ろ姿をチラ見する。
こっちはこんなに緊張してるっていうのに、余裕があるように見える背中。
やっぱり慣れてる……?
裸を描くのって、初めてじゃないの?
そんなことを思うと、言い知れない気持ちになった。
それを払拭するようにあたしは、ジーンズを脱ぎ捨て、キャミソールもはぎ取った。
「まだ、見ないでね?」
「うん」
背中を見つめながら自らの背中に手をまわし、ホックに指をかける。
片手で胸を覆いながら、反対の手で肩紐をはずしていく。
そしていよいよ骨盤に置いた指を動かし、最後の一枚を引き下ろした。