ひまわりの丘
すべてを剥ぎ取り、椅子に座った。
部屋は暖かくても、肌に直に触れた椅子の冷やかな感触に、体がビクッと震えた。
「こっち見ても、いいよ」
上ずった声を合図に、ゆっくりと隼太が振り向く。
それはきっと、あたしが今まで見た中で一番だといえる優しい笑顔。
ベッドの上で裸になるより、数十倍? いや、もっとかも。
数百倍は恥ずかしいよ。
「心臓が口から飛びでそうだよ」
照れ隠しで言ったら、隼太は何も言わずにあたしの元まで歩いてきて微笑んだ。
そして肩に乗った髪を直してから、あたしの右頬に軽く触れて言ったの。
「最高に綺麗だ」って。
その時のあたしは、それまで生きてきた中で一番、ドキドキしたかもしれない。