ひまわりの丘
キャンバスに向かう隼太の目は、あたしを単なる“被写体”としてしか見ていないみたい。
全身から火を吹くくらい恥ずかしいと思ったのに。しばらくすると、そんな感情もどこかへ消えてしまっていた。
「由那?」
手を動かしたままの隼太。
「なに?」
「俺さ、もう戻ってこないわけじゃないから」
表情も変えず、言葉を続ける。
「しばらくは旅に出ていなくなるけど……ちゃんと、戻ってくるから」
「……」
「だから、」
「……」
「だから……」
わかってる。
言われなくても、わかってるよ。
だから、ちゃんと迎えにきてよね。
あたし、待ってるから。