ひまわりの丘


あたしは、4月に入ってバイトを始めた。

バイト先は、家から徒歩10分ほどの“道の駅”。

その中にある食堂で働き始めた。

調理師のオジサンやパートのオバサン達、それから店に来るお客さん。

新しい人との出会いもあって、そんな新鮮な毎日を楽しんでいた。


「お先に失礼しまーす」


4時にバイトを上がって外へ出ると、駐車場から歩いてくるりっちゃんを見つけた。


「由那ちゃーん!」


手を振りながら駆けてくるりっちゃんの隣には、女の子がもう一人。

学校の友達かな?……にしては、雰囲気が異なる二人。


「もうバイト終わっちゃった?」

「うん。いまあがったところ」


りっちゃんに返事をしてから“友達”の顔を見ると ――

「あ」

思わず声がでた。

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