ひまわりの丘
蒼太君のやわらかな笑顔とゆっくりと放たれる言葉は、あたしの心をいつも解いてくれる気がする。
「蒼太君って、絵を描く人?」
「いや、掘る人。大学で専攻してるのは彫刻なんだ。だから木とか石なんかを掘る人。
本当は小っちゃい頃から絵を描くのが大好きだったから、油絵を学びたいって思ってたんだけどね。でも ――」
初めて目にする表情。寂し気な中に瞳だけ強さを含んでいる。
「……でも?」
「コンプレックスが邪魔をしちゃって」
「コンプレックス?」
あたしの問いかけに、ため息混じりに苦笑いを浮かべた。
「身近に上手いヤツがいてね、俺なんて4つの時から絵画教室にも行ってたのに。そいつは基礎も勉強してないのに凄いんだ。どうあがいても太刀打ちできなかった」
「蒼太君って、絵を描く人?」
「いや、掘る人。大学で専攻してるのは彫刻なんだ。だから木とか石なんかを掘る人。
本当は小っちゃい頃から絵を描くのが大好きだったから、油絵を学びたいって思ってたんだけどね。でも ――」
初めて目にする表情。寂し気な中に瞳だけ強さを含んでいる。
「……でも?」
「コンプレックスが邪魔をしちゃって」
「コンプレックス?」
あたしの問いかけに、ため息混じりに苦笑いを浮かべた。
「身近に上手いヤツがいてね、俺なんて4つの時から絵画教室にも行ってたのに。そいつは基礎も勉強してないのに凄いんだ。どうあがいても太刀打ちできなかった」