ひまわりの丘
いつも陽だまりのような蒼太君が口にした“コンプレックス”。
その横顔が切なげで、胸の奥がキュっとした。
「意識したって比べたって仕方ないのに。そんなつまんない感情抱えて、好きな物を選ばないで違う道を進もうとしたから、こけちゃって…」
「……」
「いつになったら前へ進めるのかなぁ」
他人事のように言った彼は、手を組んで前に軽く伸びをしてから、澄み渡る青空を仰いだ。
「由那ちゃん、日曜日に買いだしに行くんでしょ?」
「うん。次の日曜はマモルオジサン達が連れてってくれるって」
近くにスーパーもないため、毎週日曜には車で片道1時間近くかけて買いだしに行くことになっている。
「じゃあ、午後から何処か行かない? 」
「うんっ 行く」
あたしは思わず声を弾ませた。
そして蒼太君もいつもの笑顔に戻っていた。