ひまわりの丘
そして日曜日。
少しドライブを楽しんだ後で蒼太君は、ログハウス風の喫茶店に連れてきてくれた。
木の匂いに溶け込むように、コーヒーのいい香りがする店内。
「いらっしゃいませ~。あらっ」
カウンターの中にいる女の人が、顔をあげてニコリと笑った。
「奥に座ってもいいかな?」
蒼太君が尋ねると、その女性は更に目を細めて、どうぞと答えた。
アーチ型になっている窓辺の席。
外には生い茂る緑の木々と、その隙間から差しこんでくる日の光。
「すごーい。ステキ」
あたしの言葉に、蒼太君はいつもの優しい笑顔を向けてくれた。
「こういう景色が、自然にそこに存在するのがいいよね。都会じゃ考えられない」
彼の言葉に黙って頷いていると、さっきの女性が水を運んできて、蒼太君に言った。
「女の子連れてくるなんて初めてじゃないのよー?」