ひまわりの丘
「あたし、施設で暮らしてたことがあるの。
そこの先生がある時に“輪廻転生”の話をしてくれて。人は何度でも生まれ変わるんだって。だから生きている間に、できるだけ良いことをしましょう。そうすれば生まれ変わった時、そのご褒美にたくさん良いことがあるでしょうって」
それは9歳くらいの頃だったと思う。
その話を聞いていた小さな子が、先生に尋ねたんだ。
「いいことをいっぱいしたら、今度はパパやママと一緒に住めるの?」
その時に思ったの。
あたしはきっと前世で、よっぽど悪いことしちゃったんだって。
だから親の顔も覚えていないし、親戚の家に預けられて厄介者にされたり。近所でも、除け者扱いされて……それで施設に入れられたんだ。
これは罰なんだ。
前世で悪いことをした、罰を受けているんだ。