ひまわりの丘
「だから今回のことも、高校を辞めて北海道に来るって決まった時、思ったの。あたしの受ける罰は、まだ残ってるんだなって」
「由那ちゃん ――」
「友達がね泣いてくれたの。
だけど来てみたら、みんな優しくて暖かくて……悪いことなんて、ひとつもなくて。
だから、絶望的な気持ちで東京を出てきたのに、なんていうか後ろめたい気持ちになって……
その友達にも、ちょっとメールを返したくらいで、連絡とってないんだ」
胸に痞えていた物を吐きだした後で、こんな話をして迷惑だったかなって思った。
でも蒼太君は、こんなことを言ってくれた。
「友達なら、由那ちゃんが幸せになることを望んでいるはずだよ。きっと今頃、心配してるんじゃないかな。だから後ろめたいなんて言わずに連絡した方がいいと思う。
在りのままを伝えたらいいんじゃないかな。きっと喜んでくれるよ」
本当にやわらかく温かい、陽だまりのような人。
「そう、だよね」
答えたあたしに、笑顔で頷いた。とその時、彼の視線が動いた。
そしてあたしの後ろ側を見つめて、あれ?って言ったの。