ひまわりの丘
「どうしたの?」

振り向いて後ろを見る。

「りっちゃんだ…」と蒼太君。


入り口に近い壁際の、棚が並んでいる場所に立っている。マモルオジサンとキョウコさんのとこのリツコちゃんだった。

ちょっと顔を合わせたぐらいで、あたしはまだ彼女と話をしたことはなかった。


「ひとりで来たのかな?」

席を立った蒼太君のあとにあたしも続いた。



「りっちゃん?」


蒼太君が声を掛けると、ビクっと肩をあげて振り向いたリツコちゃん。横にいるあたしにも気づいて、更に驚いたようだった。


「こんにちは」

「こ、こんにちは」


声をかけると、小声で恥ずかしそうに応えた彼女。初々しくて可愛い。

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