ひまわりの丘
【最悪な出会い】
7月もあと数日で終わる。
牛舎での仕事を終えたあたしは、向日葵畑を眺めながら歩いていた。
『もっとゆっくりでいい』
蒼太君にそう言われてから、行ける時間にだけ牛舎へ足を運んだ。
そうしてからは心なしか、前よりも気持ちが軽くなったように思えて。それに、ジンさんとも前よりずっと気兼ねなく話せるようになった。
自転車に乗った小学生たちが隣を通り過ぎて行く。
夏休みに入り、普段は静かなこの辺りでも子供達の賑やかな声が響いていた。