ひまわりの丘

なに? ねぇ、なんなの!?

“同じ香り”って、当たり前じゃない!
あたしのシャンプーなんだから。

っていうか誰? まさか空き巣とか?

心臓がバクバクと騒ぐ。


そこへガタンと音がしてドアが開き、下着一枚の姿で出てきた謎の男 ――


何くわぬ顔で歩いてきて、椅子の背にかけてあったジーンズに足を通した。

関心するほど長い手足やキレイな背中のラインに、危うくまた目を奪われそうになって、慌てて視線を逸らした。


「あぁ、サッパリ~」

なんて言って歩いてるけど、上半身は裸のままでいる。


ホントに一体誰なのー?

盗み見るようにそっと眺めた。

腕だけじゃない。胸やお腹にも細身のくせに筋肉が程良くついている、その体。

もしかしたら泥棒かもしれないのに。

あたしが逃げたり悲鳴を上げたりしないのは、その均整のとれた体……と、その上についているパーツのせいかもしれない。

改めて確認したその顔立ちは、やっぱり美しすぎたんだ。

< 58 / 212 >

この作品をシェア

pagetop