ひまわりの丘
「ねぇ、描かせてよ? あんたの絵」
急に甘えた声を出す。
あたしは隼太から視線を逸らして、洗い物を始めた。
「キレイに描いてあげるから」
描いてあげる、なんて何様のつもり?
こっちから頼んでるわけでもないのに。
「あんた自身の素材もいいしね」
それに。さっきから『あんた、あんた』って、耳障りなんだけど。
前に蒼太君が、ちゃんとあたしの名前を教えたはずなのに……っていっても覚えてるわけもないか。
黙ったままでいると、あきらめたのか隼太は席を立った。