ひまわりの丘



隼太が、カレーを食べていった日から数えて三日後。


「お先でーす」

牛舎を出ると、頭の上から声がした。

「由那ちゃん!」

見上げると、ジンさんの家の二階の窓には蒼太君。


あたしが笑い返すと

「ちょっと待ってて」と、頭をひっこめた。


間もなく玄関から出てきた彼は、今日も変わらずサワヤカすぎる笑顔。

それは、あたしの心を和ませてくれる。

兄弟なのに、どうしてこうも違うんだろ?


「どうしたの?」

「俺ね、明日から東京なんだ」

「またバイト?」


蒼太君は月に3度程、東京や札幌に飛ぶ。

バイトだというんだけど、その内容は何故か教えてくれないんだ。

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